柳の木
実家に帰った。
何をするということもなく、
夕方、ぼんやり
近所の公園の柳の木を
見に行った。
私の一番好きな木は
柳で
中学生の頃から
ふいに見たくなる時がある。
どんな風にも
自由に揺れる姿と
どんな風でも
必ず幹に戻ってくる葉の姿に
頑固なくせにちっぽけな自分は
尊敬の気持ちと戒めを
感じている。
田舎の柳の木は
また大きく立派で
20メートル弱はあるんじゃないだろうか。
その夜は
あんまり眠れなくて
朝早く起きなければならないというのに
書き始めていた詩を進めては、
大々的に消して
書き直すを繰り返した。
自分の底にあるはずの
自分の先っぽは見えたが、
まだ輪郭には辿りつかない。
結局、まだ。