逃げちゃダメだ。

相方さんの頭がくさい。


学祭において
4団体8企画に関わっていると
嬉しそうに報告する。


でもくさい。


ようやく
お風呂に入り始めた
12時半。


さて。
教育実習先の高校生から
メールをもらう。


「Mステにハイドさん♪」


うちがハイドさんを好きなことを
覚えていてくれて
嬉しい。


彼女はGLAYが大好き☆


確かGLAY
中学二年生の時に流行った。
給食の時間
「彼女の”Modern…”」とかが流れた。
歌詞に詳しく突っ込む奴がいて
「食べづらいなあ。。。
 わざわざ給食の時間じゃなくても
 エロ本開いてる放課後とかでいいじゃん」
と思っていた。
そういうお年頃。


友人のまきぼんが学祭で
「BELOVED」を歌っていた。
シックで
とってもかっこよかった。


中学三年生になって
L'Arc〜en〜Cielが流行った。
「あたしはGLAYを見捨てない!」と
固執する人と
「もう時代はラルクっしょ!」と
早々流れる人とに分かれた。


給食の時間
放送委員がスイッチを間違えて
校長室にまで
「HEAVEN゛S DRIVE」を流してしまった。


「何だこの歌は!!
 給食にふさわしくない!!」と
校長先生がキレた。


以来、
給食にふさわしい音楽(クラシック)が
流れ続けたが、
生徒の反発も大きく
元に戻る。
校長先生も
キレる14歳らには勝てなかった。


給食時の音楽は
放送委員の手に委ねられている。
リクエストも聞き入れてくれるが
優先されるは
放送委員の趣味だ。


ある日
エヴァンゲリオンのドラマCDが流れた時には
さすがに閉口した。


「パターン青、使途です!」
「来たわね。」
「ミサト!」
エヴァンゲリオン初号機、発進!」


ロボット戦闘ものによくある壮大なBGM


ズバババババババッ!(ライフル発射音)
ズザアアアッ(接近戦における受身)
「シンジくん、避けて!」


あたしの担任は
「給食は黙って食え」の人だったから
好きな歌が流れようと
ハミングしてはいけないし
好きな歌手がフューチャーされていようと
同じくファンのクラスメイトと
喜びを分かち合うこともできないし


たとえ教室にアニメ戦闘シーンが
繰り広げられようとも
笑っても怒ってもいけなかった。


アニメを全く好まない生徒は
不可解な世界観に
腹立たしさをにじませ
エヴァに少しでも傾倒していた生徒は
同じエヴァファンとして
これはやり過ぎだろうと
放送委員を諌め、
いたたまれない気持ちと
自嘲気味な笑いを堪えて
その場を過ごした。


もちろん。
あたしは後者だった。


「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ
 逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」



唐突に繰り返し始めた主人公に
どれだけのクラスメイトが
自身をシンクロさせただろうナ。。。


ふと、そんなことを
思い出した
学祭前夜。