胸を借りる。

先輩コピーライターさんが
飲みに連れてってくれた。


腹割って話せ、の会だった。


終電過ぎてまで


「じゃあいつも
 何考えながら
 コピー書いてんですか」


などといった
青い質問をぶつけたり、
果ては人間の倫理の話まで。
結局は、


「自分の一番きもちのよいことをすればいいんだよ」と。


つまり、
自分に正直になれという、
応援だった。


その後、
カラオケに行って


「この歌詞がいい」
「人間の弱さがな」
「そうなんだよ」


と言葉に酔いながら歌った。


なぜ広告を仕事にしたいと思ったのか、
なぜコピーを書きたいと思ったのか、


きっかけも、好きなことも、
その方が長年やられてきたこと、
私がこれから目指したいこと、
違っていて、


分かってはもらえないだろうと
さみしく思う気持ちもあったが、


それよりももっと上の方で、何か、
大きく見ていてくれるような、


まさに胸を借していただく。


心から、本当に、
ありがたいと思う。