毛穴がスバッとひらく感じ。

同期3人と後輩1人と計5人で
伊豆へ日帰り旅行に行ってきた。


旅のよいところは
普段使わない感覚の毛穴が、
ズバっとひらけちゃうところだと思う。


河津の早桜と菜の花の美しさに
5人中4人が、
バシャバシャ写真を撮りまくり、


納豆が入ってしまったために、
海鮮のおいしさが殺されてしまった海鮮丼に
うなり、


サンドウィッチマンに似ている人を見て
声をあげて笑い、
同じ模様のガラガラバックを引く
女4人集団を見て
腹から笑い、


断崖に立って海からの風に
髪をボサボサにしたり、


温泉に入って、
裸で絶景を感じたりと、


濁った体の毛穴を開いて、
日頃の何やらを出しちゃって、
研ぎ澄ましていく作業だった。


その中でも
一番毛穴が開いた瞬間は、


海岸にあった奥深いトンネルに
後輩の子と入っていった時だろうか。


いくつかの岩をおいて「KEEP OUT」を示唆しているが、
進むことはできる。
しかし、真っ暗で奥が全く見えない。
「あ」と声を発してみても、
結構遠くまで反響しているようだ。


「やばいっすねー」
「誰かいたりして」
「ロープがありますよ」
「怪しいなー」


だが、あまりの暗さに
ケータイの明かりでは何にもならないし、
懐中電灯じゃないと前には進めない、
あ、そうだカメラのフラッシュをたいてみましょう!
つーことで諦めてトンネルをでた足を、
もう一度トンネルに入れて
岩のところまで歩いた瞬間、


カタンッ!


と、奥の方から物音が。


顔見合せることほんの1秒程度、
本気で怖くて
二人で走ってトンネルを出た。


何、誰、何がどうして、何の音!?


カタンッ!の瞬間、
ずっと休んでいた感覚が
ズバッと働いた。


本気で怖かったけど、
ズバッと感覚が鋭くなった瞬間だったと思う。