クリスマスリース

どこもかしこも
増えてきたイルミネーションである。


背の高いツリーなんかを見ると、
今だ「おお、」と
感動するが、


ふとぼんやりと
頭のすみっこで


ああ、高いお金かかってんだろうな。
ああ、客寄せかな。
なんて、
さもしい気分だ。


私の住んでいるところは
下町風情で
通りを歩いて、
ふと横を見ると
細い路地がいくつもある。


太った人では
ちょっと通れないくらいの道の脇に、
人が出入りする玄関があったりする。


ふと見たら、
クリスマスリースが掛けられていた。


白いリボンと金のモールで飾られた
緑のリースが
木の扉にかかっている。


人が通らない
日の当たらない露地で
ひっそりとクリスマスを待っている。


このリースは、
誰のためでもなく何のためでもなく
自分のためだけに
掛けられたんだろうなあと思うと、


とても素敵に思えて


クリスマスも
いいものである。