生きもんを作る人がいる。

さて、
映画をみて帰ろうと
会社を出て歩いていると、
先輩3人と出会った。


ADの方の奥さまが陶芸家で
その個展を見に行くという。


映画を延期して
着いて行った。


作品は
白地のマットな感じの
手びねりで
淡いピンクや黄色緑で色付けされている
花瓶やら皿や小物入れ。


それらは
モノというより生きもんのようで
顔すらないものの、
不思議の国のアリスに出てくる
不思議な生き物たちのような、
ナウシカに出てくる胞子たちのような、
飄々とした風貌、雰囲気、


ずっと見ていると
愛眼品というより
もっと温度を感じられる、
そんな気がした。


私はただ、
ひょこんと着いて行くだけのはずだったのだが、
6万近くの花瓶に
心を奪われてしまった。


欲しい、欲しい、でも高いですよね、
もっと似たようなので、
小さくてもいいので
安いのはないですか?
無いですか、、、
窯元に行ったら他にありますか、
お前、窯元行くには交通費かかるんだぞ、
ああ、確かに。
でも即決するには高いですし、
我慢するべきかいっちゃうべきか。。。


お金の話をぶちまけながら悩んでいると、


ギャラリーのオーナーさんが
「こういうのは出会いですから、
 お金だけが問題でしたら
 相談に乗りますよ」


と言いながら、
花瓶に紫のアネモネをさして
一輪挿しにして
見せてくれた。


それがまたなんとも
品のあるひょうきんな姿をしていて
益々気に入ってしまった。


あの花瓶が部屋にきたら
って想像しては・・・


今も悶々としてる。