内定式に。

内定証をいただく。


名前を呼ばれて
前に出て
賞状を受け取るみたいで
そんなの高校生以来だ。


高校生。
全国詩のコンクールで入賞したとき
全校生徒の前で
表彰された。


校長先生が小声で
「うん、これはすごいね」
と笑ってくれた。


あたしの卒業式に
その校長先生はもういなかったけれど
そんなちょっとした一言を
いつまでも覚えている。


ということを、
ちょっと思い出した。


どっちかっていうと
後ろを向くのが
好きな人間です。


内定証は
人事の方の
かわいらしいディズニーキャラクター
マリーちゃんのファイルに入って
やって来た。


あたしはそのことを
イイとか悪いとかじゃなくて
象徴的な出来事として
多分いつまでも覚えている。
会社を辞めたいとかへこんだ時とかに
思い出すんだろう、
そういう、
日々の真ん中から少しずれた端っこを。


それを愛しく思えたら
頑張ることができたり
するんだろう。


その後、
本を四冊。
毎月の課題をもらう。


「嫌そうな、
 お前、めっちゃ顔に出てたよ」
と他の内定者に笑われる。


正直者と呼んで。


カフェでおしゃべりして
別れる。


一人で映画を観る。
SHINOBI
全然面白くなかった。
ひどかった。


八重洲ブックセンター
本を買う。
改めて
奥の細道

芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄 (岩波文庫)

芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄 (岩波文庫)

を読むことにする。


ということも、
始まりの日の象徴的な出来事として
どこまでも
覚えていくんだろうなあ。。。