キャベツ頭

孔子寺山修司
「どもる人」を愛していた。
ちゃんと
「どもる人」にあたしはなりたい。


さて。
内定者の人たちと公園で花火をする。


おじさんに怒られる。


中学の頃を思い出す。


担任の先生が
運動会のクラスマッチの練習をする為に
校庭に走って来なかった私たち生徒のことを
ひとしきり怒鳴った。
「やる気がねえ!教室へ戻れ!」


「なんだよ、あのキャベツ頭!」
と、先生が職員室へ戻ったと勘違いした男子生徒が
大声で愚痴ったら
まだ廊下にいた先生は
走って教室に戻ってきた。
男子生徒は血染めのボールみたいになった。


その年の学園祭。
クラスで出す店の名前が
「キャベツ」になった。
何の店だったかは
暗幕を張り巡らしたということ以外、
よく覚えていない。


男子生徒は今
やくざ業を営んでいる。


そんなことを思い出した。
怒鳴られることは
大人になってからあまりないから
不謹慎にも
どきどきわくわくしてしまったことを
ここに白状します。