ケータイ小説

ケータイ小説が気になっている。


ちょいと読んでみた。


魔法のiらんどというサイトへ行けば
なんだって無料で読めるから、
本なんて買わなくていい。


その中から、
「小さな約束」という

小さな約束〈上〉

小さな約束〈上〉

12月1日に主婦の友社から出版されている
人気のケータイ小説を読んでみた。


小説と称すから
「小説が売れない中で、
 なぜ売れるのか!?」
と驚くのだと思った。


これはどっちかって言うと、
少女マンガだ。


全編セリフで構成された
そして複雑な描写のない
つまり、ある程度少女マンガに慣れた人なら
容易く絵が思い浮かべられる文体。


行間や・・・が多く
「感じ取ってください!」
と言わんばかりの
感覚文体。


ノリノリのところは
やけに描写が長く、
逆に、飽きたり、面倒だったりすると
たった一行で
場面展開がなされていたりと
奔放な文体。


そしてどこかで聞いたような、
約束の恋愛ストーリー。


見たことのない映像や
聞いたことのないストーリー展開やオチを
作家は一生懸命考えたりするけれど、


人間の感動ポイントなんて
単純で、シンプルで、お約束で、
そんな昔から大きく変化ないんだろうな
なんて思った。


なんとか新しいものをと
ごちゃごちゃ工夫されても、
ストーリーって言うより、
今の子はシーン読みするから、
なお複雑な設定はいらなくて、


ポイントシーンをきちんと盛り込んであれば
それでよいのかもしれない。



後、サイトで読めるのに
どうして本を買うんだろうと思った。


みんな、所有欲が働いて、
「いいものは、手元に置いておきたい」
と思うそうだ。


だとしたら、
本は「読むもの」から、
より「コレクション品」としての役割を強めていく。


「誰でも安く買える」ものから、
装飾に凝った装丁や紙質に凝ったものなど、
「贅沢品」になっていくのかもしれないなあ、
なんて、ふと思った。


文芸界は今後どのようになるんだろうなあ。