選択

同期の2人が
スーツを仕立てると言うので
着いて行った。


銀座の4階。


こんじまりとしたお店には
ずらっとネクタイが並んでいて
ずらっとサイズ見本のスーツがかけられていて
テーブルにつくと
生地見本を渡された。


一人は最初
うだんうんだん迷っていると思いきや
決める時は自分の好みですぱっと決め


もう一人は
着々と選んでいると思いきや
ぐだんぐだん最後まで迷っていて
そんな迷う自分が嫌!とかなんとか
自己嫌悪に陥っていて
おもしろかった。


生地が決まると
ボタンやらポケットやら裏地やら
なんやらかんやら
細部の細部まで選んでいく。


それを見ながら思うのだ。


「どっちでもそんな大差ないじゃん」
「何が違うん?」


みたいな、
一つ一つ考えていったら
そんな大変なことには思えない選択を


丁寧に真剣に重ねていくことで
きっとスーツの仕上がりが
気に入る、
最高のものになるんだろうなあと。


結局
何かを作るってことは
衝撃的な、革命的な、
大きなインパクトのある現象なんかではなくて


事細かな選択の連続なんだろう。


2人が
新しいスーツを着てくる日が
ちょっと楽しみである。